その3:レトロから新作へ

LA-MULANAリメイクしましょうよーという話が決まってから、まず最初に仕事しなければならないのは俺です。ディレクターでございます。

1人でゲームを作ってるなら好きな所から始めればいいんですが、NIGOROはグループ制作です。ゲームの完成イメージをにぎるディレクターが全員に「こういうゲームが出来上がりますよ」というのを提示しないといけない。この段階で俺の考えが浅いままで進むと、製作中盤から最後の方にどえらいことになるのを身にしみてよーーーーくわかっております。そうやってだらだらとまぁいいかで作ってたのがアマチュア時代ですね。

NICALiSから話が来た直後は、3Dでのフルリメイクなんて案もありました。
3d
可能性として提示したレベルなんですが、3Dでゲーム作ったことないし、どのくらい時間がかかるかもわからんので、1回目の打合せぐらいで「2Dのままリメイク」となりました。


まずはっきりと決まっていることは「レトロパソコンスタイルだった部分をいかに近代的にするか」です。こういうと「ハッキリ決まっとるじゃないか」と思うかもしれませんが、これが罠です! こーいうのは「何も決まってない」のと同じでございます。マラソンのゴールはどこだ?と聞かれて「北」と答えるようなもんです。部分、部分を細かく、出来るならプログラムでどう処理するかまで、さらにはそれらの細かい部分が全体でまとまるとこういう方向性でガッチリかみ合うって所まで決めておかないといかんのです。

ヘタすりゃワンマンディレクターみたいに見えますが、そんな事言いつつゲーム全体を全て頭の中で完成することはないっす。やってみないと、動いてみないとわからない部分が山ほどあるからです。ようは「ここなんですか?」「これどうするんですか?」という質問に答えられないといかんのです。
で、この出だしのイメージ固めが何故重要かと言うと、質問に答えられなかったり、方向性を示せなかったり、保留にしたりする箇所が多いほど、1つのゲームとして一本筋が通らないんです。チグハグになるというか。あいまいにするってことは、そのパートを作る人の意思が入ってしまうので、いろんな考えがいろんな所に散らばった形になり、あとからスジを通そうとしても修正不可能なぐらい入り組んでチグハグになっちゃうんです。


前置きが長くなりましたが、じゃあゲーム作りを始める前に俺がどこまで具体的に仕様を考えていたかを見てもらおうと思います。基本コンセプトはレトロパソコンスペックを模したオリジナル版の「動かない部分」を「とにかく動かす」こと。
まだシステムの仕様を考える段階ですが、「こういう仕掛けを作りたいな」というアイディアだけは同時進行で考えておき、「新規でこういう仕組が必要です」ってのも出さないといけません。

ここで秘密資料を。ゲーム全体を見直す作業が必要だということで、オリジナル版公開後に出た感想やら動画コメントやらから「不評だった部分」をとにかく集めました。このオリジナル版の不評な部分をクリアしていないとリメイクする意味がない。ということでこれがその時の、情報を探しまわって箇条書きにしておいたテキストです。改めて見ると結局手を付けてない物なんかもありますね。


そこから細部の仕様を考えていきました。仕様を考えている間に同時進行でやってたネタ集め。インディージョーンズ4作品をレンタルして見たり、遺跡を舞台にした漫画なんかを読みあさりました。インディージョーンズを見てピンと来たのが、「仕掛けに手を出して、仕掛けが動いていく過程」がキモなんではないかなと。自分でやった行動でこういう結果になったってのをしっかり目で見せるのがLA-MULANAリメイクのキモなのではと!
オリジナル版ではそういう仕様を持ってなかったので、知らないうちに遠くの画面の仕掛けが解けているなんてことが多々ありました。つまり謎解き主体のゲームなのに「何でこうなった?」という謎を解いたときの快感がムダになっている箇所が多かったんですな。
自分でやったこと、やってることが目で確認でき、結果にいたる過程も動きで見せるための仕様をまずは紙に書いて「自分で確認」します。

floor
fall
fairy

こんな感じ。物量のあるゲームなので、こうやって形にしておかないと自分でも覚えきれないんです。んで、全オブジェクト・全敵キャラにこういうメモを起こした後、みんなに「こんなのよー」と伝えるための仕様書を作らないといかんのです。NIGOROはメンバー全員住んでいる所がバラバラなので、基本的には声か文字のチャットで伝えなければなりません。
もちろん、こんなもんが文字と声だけでカンペキに伝えられるわけがありません。そこで仕様書サイトを作り、そこに絵とFlashで作ったサンプルを置いて、文章を添えて説明しておくのです。

waterIn
waterOut
thunderthunder0parts

[swf]http://nigoro.jp/ja/wp-content/uploads/2012/01/thunder.swf,90,240[/swf]
[swf]http://nigoro.jp/ja/wp-content/uploads/2012/01/breakwall.swf,150,120[/swf]
[swf]http://nigoro.jp/ja/wp-content/uploads/2012/01/cockatrice.swf,130,110[/swf]
[swf]http://nigoro.jp/ja/wp-content/uploads/2012/01/gate.swf,320,240[/swf]

こんな感じでね。こういう細かい部分をしっかり伝えつつ、じゃあこれらが集まったらどういう感じになるのかってのも伝えないと方向性が人によってバラバラになります。そういうものも同じように伝えます。

[swf]http://nigoro.jp/ja/wp-content/uploads/2012/01/movewall.swf,320,240[/swf]
こんな感じで仕掛けが動く、それを見て謎が解ける快感がキモですよと。


こういう細部が非常に重要ととここまで書いて来ましたが、それよりなによりゲームの面白さの部分を決めておかないといかんです。
なんかまだまだ長くなりそうなので、その4に続きましょうかね。

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