WiiWareのLA-MULANAはリメイク作品である。リメイクということは元になるオリジナルがあるってことだ。
昔っから我々のことを知っている人からしたらすでに周知のことではあるが、WiiWare版からLA-MULANAを知ったという人も結構いるらしい。
これまではNIGOROとしてやっていく以上、過去の物は深く触れないようにというか、あるゲームを思いっきりリスペクトしているゲームなので、そういう部分を深く突っ込まれたりしたらマズイのかなぁなんてナーバスになっていたので、率先してオリジナル版の話は公にしていなかったはず。
しかしながらリメイクを語る上でオリジナルがどんな物だったか知らないと理解できない部分もあると思うので、我々の活動を振り返る意味も含めて、リメイクを語る前にオリジナル版の解説をしておこう。
まぁそんなかんじでとあるゲームの影響を受けまくっていること、他のゲームネタやパロディなどを盛り込みすぎているってこと、ついでにこれからはNIGOROだよってことでオリジナル版は現在正式には配布していない。してはいないが、ネット上には存在する。
それはアマチュア時代のオリジナル版を公開していたサイトを閉じる際に、「お好きに人にばらまいて結構」と言っておいたからだ。日本では見かけないが、海外にはダウンロードできるサイトがある。
ゲーム業界の気に食わない所は、著作権とか版権とか、会社の都合で突然手に入れられなくなるゲームが存在するってこと。存在を消さなきゃならんほどマズいゲームだったのかもしれないが、遊んでいた人にとっては悲しいことである。オリジナル版を封印って言うのは我々の都合なので、NIGOROとしてLA-MULANAは忘れて活動するが、LA-MULANA自体はこれからも自由に遊んでくださいってつもりだったのだ。
今ではダウンロードしなくても、ニコニコ動画やYoutubeでプレイ動画が幾つも見れる。どんなもんだったか雰囲気だけでも知りたいって人はこれでも充分でしょう。
画面はこんな感じ。
MSXというファミコンより劣るスペックのパソコンの話は置いといて、とにかくそういうのが好きな人向けに作った物だったのだ。
ちょいちょい、「ジャンプの挙動がレトロ過ぎる」とか「難易度調整つければいいのに」とか「最近のゲームのくせにうんぬん〜」という意見を聞くことがある。そんな事言われても、元々が俺のサイトに来てくれているMSXマニア達に見せようと思って、MSXマニアの我々が楽しく作るためのLA-MULANAだったのだ。しかも幅広く遊んでもらおうと思ってないというか、「MSXのゲームを知っている人には説明不要!」な部分は一切説明してないゲームなのだ。vectorなんかにも登録せず、ゲーム紹介雑誌から依頼が来ても断り続け、まぁとにかく少数の同じ趣味を持つ人向けにピーキーな調整を施したゲームだったのだ。なので「初心者向けの配慮がない」と言われても、そのように作っているのだから当然としかいいようがない。
そして、LA-MULANAを作ろうと思った根本がMSXの「ガリウスの迷宮」というゲームみたいなのを自分たちなりに作ってみよう!というもの。
このガリウスの迷宮も動画サイトを探してもらえればプレイ動画があるのでどんなゲームかはわかるでしょう。あくまでMSXの「ガリウスの迷宮」だ。ファミコンの「大魔司教ガリウス」ではない。これとオリジナル版LA-MULANAを見比べてもらえれば一目瞭然。
MSXの解像度は256*192ドット。1チップが8ドットなので32*24チップで画面が埋まる。上2段はステータス表示で埋まっているのでゲームで使えるのは縦22チップ。床に1チップ、隙間に3チップ。この4チップが5段重なって1画面分のマップが出来上がっているので、マップ部分は4×5の20チップ……あり?
そうなのだ。記憶だけをたよりにステータス部分は2チップ分と思い込んで計画したため、ガリウスの迷宮とは2チップ分マップ構造が狂ってしまっているのだ。なのでLA-MULANAは一番上の段だけは隙間が4チップ分、さらにその上に天井を2チップ分つけて構成するはめになったのだ。
ガリウスの迷宮は広大な城マップの中からアイテムや10のワールドを探し出す構造。ワールドってのは規模は小さいが色々な仕掛けや大ボスがいるステージのような物。MSXを知らないという人には、初代ゼルダの伝説と同じ構造というほうがわかりやすいかも。
ガリウスの迷宮をリスペクとしているとはいえ、あくまでオリジナルゲームを作るのが目的だったので、こういうゲームの構造自体は自分たちで別物を考えた。それがLA-MULANAの数あるフィールドを渡り歩く形になったわけだ。
まぁ他にも壷を壊すとか、経験値で体力回復とか、ジャンプの軌道とか、このゲームから影響を受けている部分は山ほどある。というか散策アクションゲームのお手本とも言うべきゲームだったのだ。この純粋なアクションアドベンチャーから、我々のオリジナルゲームと言えるように「古文書から謎を解くことがメインのアクションアドベンチャー」というスタイルを考え出して出来上がったのがLA-MULANAと言うわけだ。
このガリウスの迷宮に限らず、俺が昔遊んでいたパソコンゲームの影響はLA-MULANAの中にビッシリ埋め込まれてしまっている。興味がある人はいろいろ調べて、気になったら遊んでみるのも良いでしょう。いまなら大概の物はヴァーチャルコンソールとかProjectEggなんかで遊ぶことが出来るのでね。
まぁいろいろと言う人もいるかもしれないが、俺としてはガリウスの迷宮をパクったつもりはなく、レトロパソコンゲームの楽しさを進化させた新しい物を作りたい!と思って作ったLA-MULANAだ。パクりかリスペクトか、それは遊んだ人に判断してもらおう。
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